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徳川美術館:初音の調度

先日、名古屋の徳川美術館が開館80周年記念で「初音の調度」全点一挙公開ということで、お誘いを受けて行ってきました。

「初音の調度」は、三代将軍家光の長女で、尾張徳川家二代の光友と2才(数えの3才)で結婚した千代姫の婚礼調度です。この婚礼調度が超トップクラスの蒔絵の工芸品の数々。これでもか、のオンパレードです。全部で70件、全部国宝だそうです。

初音の調度
初音1

胡蝶蒔絵掛硯箱
初音2

名所香箱
初音3

香道具も、蒔絵、純金製、銀製など何セットもありました。

家光がBL(Boys Love)一筋だったために後継ぎがなかったので、家光の乳母だった春日局が作戦を立てて少女に男装させて送り込んで、やっと出来た子どもの千代姫さま。生まれてすぐの政略結婚の話を聞くとお気の毒かと思いきや、輿入れは11才の時に婚家の江戸屋敷の敷地に自分の屋敷を建てて移り、夫婦仲もよく、その後も幸せにお暮しになったようです。

莫大な持参金、幕府からの毎年出る潤沢な生活費など経済的には自立していて、後ろ盾は将軍、12才年上のかっちょいい旦那様(側室11人あり)とも仲がよく、2男2女に恵まれた徳川家最強女子の超豪華お道具類です。1点観るだけでも感嘆するのに、あんなにあると感覚がよく分からなくなりました。

ところで、千代姫の調度がなぜ「初音の調度」かというと、意匠が源氏物語の初音の帖にちなんでいるため。その中で詠まれる

「年月を まつにひかれて ふる人に 今日うぐいすの 初音きかせよ」

の字が、バラバラに蒔絵の中に隠し文字のように仕込まれているのでした。そしてうぐいすもホケキョ!と鳴いています。


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「ジョコビッチの生まれ変わる食事」

明日から全仏オープンテニスですね。それに先だって、ジョコビッチが書いた本を読みました。

食事のことだけではなく、生い立ちや背景も書かれていたので、ジョコビッチを単なるテニスのトップ選手ではなく人間として身近に感じるようになりました。

そして、そんなジョコビッチが食べているもの、なぜそうなったかというのも理由も分かりました。

ジョコビッチは小麦(グルテン)、乳製品、トマトに対する不耐症があるそうです。実家がピザ屋さんのジョコは、その結果にはショックを受けたようです。グルテンを多く含む強力粉で作ったクラストにトマトソースを塗ってチーズをのせるピザは、彼の体質的には全滅です。

不耐症と書いてありますが、喘息のような感じ、息が出来なくなる、力が抜ける、鼻が詰まるなどの症状は、単なる不耐症というよりも食物アレルギーと言ってもいいんじゃないかと思います。試合中にたびたび起きるそのような症状のせいで、肝心なところで腰砕けになってしまう自分を呪っていたそうです。

グルテンフリーの食事は、ダイエットにも効果的らしい。生活の中に瞑想を取り入れたり、規則正しい生活をするなど、食生活だけでなく、見習うべきポイントも多いです(トップ選手って大変なのね)。

ジョコビッチではないので全部その通りにはできませんが、レシピの載っている幾つかは試しにやってみようと思いました。一部でも取り入れると、日々の暮らしのいい刺激になりそうです。



買出しと大原美術館展

食材の買出し:街なかでは手に入らなかったので、今日は朝から駅ビルまで出掛けて、クスクス、キヌア、全粒粉、リスドォル、ワイルドライス、菜種油、レモンなど買い込みました。マクロビを習って触発されたので、教わったものを作ったり、久し振りのメニューを復活させようと思ったりです。

駅まで行ったので、帰りに駅前の静岡市美術館に寄りました。大原美術館展が開催されているのです。

買い込んだものをロッカーに預けてしばしの鑑賞。この美術館は場所はいいけど混まないので、気楽にやってきてノンビリ鑑賞できます。本日は、巨匠の作品をゆったりまったり観てきました。

大原美術館の礎になった児島虎次郎の作品が多くと、彼が欧州滞在中に画家から直接買い付けてきた作品群、有名なところで、シスレー、マティス、ユトリロ、モディリアーニ、ミロ、ピカソ(陶器)など。日本の作品では、青木繁、岸田劉生、須田国太郎、高村光太郎、棟方志功、芹沢銈介、バーナードリーチなど。最近の方では山口晃が観られて嬉しかった(漫画もファンです)。

クラボウやクラレなどに発展した大原財閥が、画家のパトロンになり、また日本で西洋美術を紹介する美術館を作るような社会貢献活動をした時代、財閥があり、オーナー企業の時代だったから出来たのだと思います。古くより王族や貴族が美術を欲し、大財閥が美術を欲し、そして今ではおばちゃんたちが支えている美術かな。

大金持ちの個人的な趣味でよかった美術が、いまは多くの人に好まれる商業的なものでないと成立しない時代になってきたのかも、などと考えてみたりします。

美術館を歩き回ったあと、暑い中歩いて帰宅したら、すご~く疲れてしまった。先日の12キロより今日の疲れの方がガツンと来ました。この所、忙しいのと気温が上がったので疲れやすいです。せっかく買い込んできた食材ですが、料理は明日にしよう。

外出前の朝早い時間、うちの犬が好きな近所の公園も清々しい様子でした。

常磐公園の樹

いつもとカメラの設定を変えたわけではないのですが、なんだか絵のような写真になっちゃいました。

常磐公園2本の樹



「動いている庭」 ジル・クレマン

日仏会館で、フランス人の庭師/修景家/小説家/教授のジル・クレマンさんの講演「都市のビオロジー」を聴いてきました。

1991年の著作である「動いている庭」の邦訳が刊行されるので、それに合わせての講演とのこと。講演のタイトルが気になって申し込んだので、事前知識はゼロでした。それでちょっと困ったことに。


動いている庭動いている庭
(2015/02/26)
ジル・クレマン

商品詳細を見る


フランス式庭園の庭師や、商業的なランドスケープデザイナーの方々をイメージして講演を聴き始めたのです。ためになる話が聞けるとか、楽しく知識が身に付くとか、笑わせてくれるかも、とか、そんな感じです。

すると、講演が始まるやいなや、頭の中が「あっちょんぶりけ」に。そういう何かを提供してくれる話ではありませんでした。メモを取りながら、ボケた頭の固いチャンネルを回していたら、やっと少しずつ合ってきました。あとは、想像力フル回転で~。

【講演メモ抜粋】
・生き物の気ままさとエネルギーに沿った形で世話をする庭を「動いている庭」と呼ぶ。

・「惑星という庭」の意味するところは、囲われているエリアを庭と呼ぶが、今は地球環境の中ではお互いに影響しあっていて、地球全体が大きな庭のようなものだということ。

・何の手も加えない荒地、放棄地を「第3風景」と呼び、そこにある自然のままの多様性とエネルギーが一番尊いものである。

【私の感想抜粋】
(ビオワインとか、マクロビ、などの考えと近いのか?)
(フラーの「宇宙船地球号」的な考え方かもしれないけど、地球全体として環境を考える必要があるということ?)
(自然農法とかあるけど、何も手を加えない、となると地球全体がジャングルになりそう・・・)

クレマンさんの作る庭は、動いている庭の中に第3風景を取り入れて、まったく手を入れないエリアを意図的に作るのだそうです。庭師というより、哲学的な前衛芸術家のよう。

上記3つのキーワードが講演の中心でしたが、ドードー鳥の消化器が仲介する発芽の例、生い茂っても隣の樹とは絶対に距離を置くモンキーポットという樹木の例、毒を出すアカシアの例、など、植物や生物の間のコミュニケーションについての話も興味深かったです。


ところで私は、いわゆるグローバル企業に勤めていた間に、商業主義、資本主義の環境で結構鍛えられました。企業人的考え方は問答無用で身に染みています。

でも、元々の私はちょっとポエムな人間で、企業人・政治家・銀行家などは、エンデの「モモ」に出てくる灰色の男たちと同じ悪の手先のように思っていました。

今日の講演には、自分の中にある商業主義・資本主義的考え方をもう一度意識し直すことになったし、子どもの頃に持っていたそうではない世界の見方を呼び覚まされました。また、社会の中で漫然と生きていると、提供されることに慣れてしまって、自分で思索しなくなる事にも気づかされました。

知っていたら行かなかったくらい想定外の内容だったのですが、こういう偶然にこそエネルギーがあるのかも。


静岡:古典芸能な週末

東日本大震災以来、好きだった古典芸能鑑賞とプツンと縁が切れていました。劇場に行く気持ちがまったく失せてしまったのです。心がそこで遊べないというか、そんなことより体力つけろというか。劇場に行くより、震災の帰り道に買ったロードバイクに乗れるようになるのが先決というか。

2年半以上経ち、その古典芸能、静岡で機会を得て2日続けて能と文楽に出かけました。

【薪能@三保松原】

三保松原の羽衣まつりで毎年開催される薪能で、番組のひとつは毎年必ず「羽衣」。物語の舞台がここ三保松原の地です。

いつもは鏡板に描かれている老松も、この日は本物の松。舞台の後ろには海が見え、潮騒が聞えます。

舞台

天女の出てくる夢のような物語の舞台になった現実の場所で、実際に存在している羽衣の松の隣に設えた舞台上で、新たに夢のように演じられるお能。考えると入れ子/入れ子で、劇中劇に永遠に入り込んでしまうような、夢が現(うつつ)か現が夢か、そんな不思議な気分になりました。

羽衣のあとは、樋の酒という狂言で大笑いし、もう一つの番組は「船弁慶」になります。義経が弁慶とともに船に乗って落ち延びる物語なので、実際に聞こえる潮騒がぴったり。この頃にはすっかり日も落ちて、闇夜に半月が煌々と輝いていました。

蛇足ながら、世界文化遺産の構成資産となった記念すべき年だったからか、静岡県知事、前文化庁長官、フランス大使、静岡市長、はごろも会長、エスパルス監督などの偉い人たちがいらしてました。砂地に置かれた傾いたパイプ椅子(連結されていて一脚ずつの座り心地調整が不可能)というちょっと座り心地悪い席に偉い人たちも座っておられたのね~。

折角の素晴らしい環境なので、もう少しどうにかならないのかと思う事も多々ありましたが、元々地元の催しなので、あまり作り込まずにこれでいいのかもしれません。


【文楽@グランシップ】

翌日は人形浄瑠璃です。「生写し朝顔話」の「明石船別れの段、笑い薬の段、宿屋の段、大井川の段」。テレビで言えば、古いけど「君の名は」。好きあう二人が離れ離れになって、なかなか会えない、すれ違う、一緒になれない。

阿曽次郎と深雪はお互い一目ぼれするが、離れ離れになり、そのうち阿曽次郎は偉くなり名前が変わって縁談を申し込むが、深雪は改名の事を知らないために拒否して家出をしてしまう。その後、失明するほど苦労して、瞽女(ごぜ)となって阿曽次郎を探し続け、嶋田の宿あたりに逗留している。

そのうち阿曽次郎が悪者の謀略家と一緒に旅する途中、嶋田の宿で投宿し瞽女になった深雪を認める。だが、悪者の前では守りたいプライバシーなので、その場では知らん振りして深雪に証拠の品を残して立ち去る。後で気づいた深雪が盲目の身ながら半狂乱で追い掛けるが、大井川の水かさが増して川止めになり、既に渡った阿曽次郎には会えないという不運。

橋 (2)

夏日とは言え一応10月なので胴抜きの、袷に見える単衣で行きました。前日の能には格のある帯を締めて行きましたが、文楽は気楽な縞帯で。そしてハンカチが大事。浄瑠璃語りに心つかまれ泣いてしまうの必定なので。案の定、ヒロインの深雪がかわいそうで、涙、涙。大井川に阻まれた悲しい運命を一緒に嘆いたのでした。

久し振りの浄瑠璃を聞き、太棹の響きも嬉しくて、文楽はやっぱりよかったです。


【嶋田宿の帯祭り、蓬莱橋】

その翌日、嶋田の宿の帯祭りを見物した帰りに大井川にかかる蓬莱橋に寄りました。

橋横

橋 (1)

ギネスが認める世界一長い木造の橋で長さ897m。深雪の時代にこの橋が架かっていれば、深雪も阿曽次郎を追いかけて行けたのにと、前日の生写し朝顔話の大井川の段を思い出しながら感慨深く往復したのでした。

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